Blog ご成婚お役立ちコラム

公開日:10月5日 更新日:10月5日

“理想のタイプ”を語る人ほど、理想から遠ざかる理由とは?

結婚相談所でカウンセリングをしていると、最初に必ず出てくる言葉があります。
それが、「理想のタイプは〇〇な人です」というフレーズ。
もちろん理想を持つのは悪いことではありません。
むしろ自分がどんな相手を求めているのかを理解することは婚活の第一歩です。
ただし——。
理想を“語ること”に力を入れすぎると、なぜか理想の相手から遠ざかってしまう。
今回は、婚活現場で数百人を見てきた経験から、
「理想を語る人ほど結婚が遠のく」不思議な現象の理由と、その対処法 を解説します。

理想を語るほど、“現実とのギャップ”が広がる

人は「理想を言語化」した瞬間に、それを“評価軸”として使ってしまいます。

例えば…
優しい人がいい
リードしてくれる人がいい
家族を大事にする人がいい

どれも素敵な条件ですが、現実には「優しいけど少し不器用」「リードは苦手だけど誠実」など、人には必ず“グラデーション”があります。

理想を明確にするほど、その理想と「少し違う現実」を受け入れにくくなり、
結果として“出会いの幅”がどんどん狭くなっていくのです。

理想を語る=“評価者の立場”に立ってしまう

婚活が長引く人に共通するのが、「自分が選ぶ側」になっていること。
理想を語るという行為は、無意識のうちに自分を「審査員席」に座らせてしまいます。

「この人は条件が合わない」
「話してみたけどタイプじゃなかった」

こうして出会うたびに“ジャッジ”を重ねてしまう。
でも、恋愛も結婚も、審査ではなく共創です。
一方で、成婚者は「相手を評価する」よりも「相手と調和する」ことにエネルギーを使っています。
理想を語る人ほど、その“調和モード”に入りにくくなってしまうのです。

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理想を言葉にすることで、“自分が縛られる”

実は、理想を語ることで縛られるのは「相手」ではなく「自分」です。
「年上がいい」「背が高い人がいい」「落ち着いた人がいい」
——この言葉を一度口にしてしまうと、
自分自身の思考がその“設定”の中で動いてしまいます。
人は一度決めた枠組みを壊すのを怖がります。
だからこそ、「理想」を口に出すたびに、
自分の恋愛観や行動の自由度がどんどん狭まっていくのです。

理想は“未来”ではなく“過去”から作られている

心理学的に言うと、人が「理想のタイプ」を語るとき、
その多くは“未来への期待”ではなく、“過去の経験”に基づいています。

・元カレ(カノジョ)が優しかった → 優しい人がいい
・傷つけられた → 優しい人がいい
・退屈だった → リードしてくれる人がいい

つまり、“理想”とは「過去の痛みの裏返し」。
過去の出来事を補正しようとする“心の保険”なのです。
でも婚活は「過去のリベンジ」ではなく、「未来の選択」。
理想を語るほど、無意識に“過去の再生”を繰り返してしまう人が多いのです。

成婚者が持っている“理想の扱い方”

結婚相談所で実際に成婚された方々には、ある共通点があります。
それは「理想を一度、手放してみた人」です。

例えば…
「最初は“年上がいい”と思っていたけど、話してみたら年下の人がすごく合った」
「タイプではなかったけど、話してると安心する人だった」

理想を“削除”したのではなく、“一時停止”しただけ。
その“余白”の中で、本当に心が合う人と出会えたのです。
理想を語るのではなく、理想の“解像度”をぼかす。
それが婚活をスムーズに進めるコツです。

成婚STORY

「理想」を“行動”に翻訳すると出会いが変わる

理想を口で語るよりも、行動で表現した方が効果的です。

例えば…
「優しい人がいい」→ 自分から“ありがとう”を言える人になる
「会話が合う人がいい」→ 話を引き出す努力をする
「価値観が近い人がいい」→ 自分の価値観を言葉にする

理想を“要求”ではなく“行動”に変えると、
周囲の人から見えるあなたの印象が大きく変わります。
婚活がうまくいっている人は、みんな“理想を生きている人”。
語るよりも、動きで見せています。

理想を“語る”人と“感じる”人の違い

理想を語る人は「頭」で婚活をしています。
一方で、理想を感じる人は「心」で婚活をしています。

・「年収」「職業」「条件」で考える人は“分析モード”
・「安心感」「笑いのツボ」「空気感」で感じる人は“共感モード”

この違いが、そのまま“モテる空気”に直結します。
「理想を語る」人は正しいけれど硬い。
「理想を感じる」人は柔らかくて魅力的です。

“理想の人”を探すより、“理想の関係”を作る

婚活では「理想の人を見つける」ことがゴールになりがちですが、本当のゴールは「理想の関係を築くこと」です。
相手が完璧である必要はありません。
2人の関係が育つ過程で、理想の形が作られていくのです。
結婚相談所で成婚した方の多くが、こう言います。
「最初は理想のタイプじゃなかったけど、今ではこの人が理想です」
理想の“人”ではなく、理想の関係を選べる人こそ、結婚に近づくのです。

理想を“語る”より“見つけてもらう”ほうが魅力的

理想を語る人は、自分を“説明”しようとします。
でも、説明よりも“感じさせる”ほうが魅力的です。
「こういう人がタイプなんです」ではなく、「なんか、この人といると落ち着く」と思わせるほうが圧倒的に強い。
婚活の場では、言葉よりも“空気”が伝わります。
理想を語るより、理想を感じさせる人を目指しましょう。

理想を手放すと、理想に近づく

結婚相談所でうまくいく人は、理想を「持っていない人」ではなく、理想に“縛られない人”です。

理想を語るほど現実が遠ざかる
理想を手放すと出会いの幅が広がる
理想を行動で表すと自然に伝わる

「理想の人が見つからない」と感じたときこそ、理想を“手放す勇気”を持ってみてください。
その瞬間から、あなたの周りの景色が変わり始めるはずです。

監修者

増田 修蔵

株式会社マーズ 代表取締役

1979年生まれ。滋賀県出身。
大学1年生の頃より放送作家として、バラエティ番組やスポーツ番組の企画・構成を担当。
30歳で趣味別の婚活パーティーを立ち上げ、連日満員となり、8年間で延べ4万人を動員。
2017年に結婚相談所を開業し、1年目より現在まで全期で「成婚優秀賞」を受賞。
元放送作家ならではの「会いたい!」と思わせるPR文でお見合いの成立率を上げ、成婚率は毎年7割を超える。
ファーストカウンセリングから成婚退会まで一人で担当し、これまで250人の成婚者を生み出す。 モットーは「押し付けないサポートで会員様の長所を最大限に活かす」。
33歳の時に結婚し、妻と2人の女の子の4人家族。
趣味は旅行、スポーツ観戦、お酒、ドライブ、Netflix鑑賞、エスニック料理店巡り。
旅行はこれまで60カ国を訪問し、旅行記を出版したこともある。